【BUSTAFELLOWS】それぞれの正義を貫くシネマティック乙女ゲームをレビュー【ネタバレなし】
あざやかな悪に染まれ
文化放送エクステンドが送る本格クライムサスペンスをテーマにしたシネマティックアドベンチャー、BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ)をレビューします!
本作について
タイトル:BUSTAFELLOWS
ジャンル:あざやかな悪に染まるアドベンチャーゲーム
対応機種: Nintendo Switch / iOS / Android
価格:Switch版:通常版6930円(税込)、限定版9130円(税込)
スマートデバイス版:5980円(税込)
プレイ人数:1人
レーティング:CERO C
評価・プレイ状況(5段階評価)
ストーリー・キャラクター:☆☆☆☆☆
ゲームプレイ・操作感:☆☆☆
グラフィック:☆☆☆☆
サウンド:☆☆☆☆
システム:☆☆☆☆
クリア時間:35時間くらい
全エンドコンプ、全ボイス再生での時間です
Switch本体のプレイ記録を参照
ストーリー・キャラクター:☆☆☆☆☆
攻略対象は5人です!
- 軽いノリで面倒見のいいスーパー弁護士
- 淡白だけど割と常識人な暗殺者
- 線引きを弁えているフェロモン抜群生粋のタラシ
- 感情表現に乏しく、天然で動物が好きな検死官
- どんなハッキングのお手の物!自称裏社会のボス
と、属性もばらけておりそれぞれ個性が強いです。空気がいません!
主人公はひょんなことから彼らと共に共同生活を送ることになりますが、あまり紅一点持ち上げ感が目立たず、バカやりながら仲良く過ごしてる感が私はすごく好きでした!
あまりガツガツ来られるのはどうしても苦手なので・・・
潜入捜査中の会話です
会話もその辺の大学生みたいなノリだったり、やたらボケやツッコミのテンポがよかったり、会話の切り方(場面転換)が絶妙なので飽きずにすらすらテキストが読めます!
主人公はボイスがついているだけあって結構個性が強いです。とてもひたむきかつ強かで自分の力でなんとかしようとするところに好感が持てます!物語の重要人物の一人として一生懸命生きています
主人公や攻略対象以外にも重要キャラが多数いますが、全員これでもかってくらい属性がばらけてます
このゲームの登場人物全員に言えることですが、みんなそれぞれ信じる正義をもっていて、それを貫くために動いています
それがぶつかり合うこともあれど、どちらが正しいなんて言うのはプレイヤー側からは決めることができず、それが登場人物たちの生きる力を感じさせます
共通ルートは全4章、個別ルートはそれぞれ2章、真相ルートが2章の構成で、個別の後編以外はそれぞれ事件が起きてそれを解決する、所謂サスペンスものです
一見別々のように見える事件ですが、それぞれ繋がりがあります
伏線もよく貼られていますし、事件解決のプロセスも主人公が時間遡行能力があるために結構えぐい展開になったりもするので、なかなかハラハラします
サスペンスやってるときは恋愛なんてやってる場合じゃねえ!となかなか息の詰まる展開ですが、各々のルートの後編は事件解決後のアフターとして恋愛要素盛り盛りで描写されてます
乙女ゲームとしての魅力もあるので心配いりません!
声優さんの演技については棒読みの人もおらず、全員かなり力を入れて演技されていました!
バカやったりの会話が面白い今作ですが、音声の間が絶妙でこれがまた笑わせてくれます
もちろんシリアスシーンや甘いシーンも抜群の雰囲気です。ギャップがあってよりいい感じに
前述しましたが主人公に時間遡行能力があるために結構えぐい展開(人の生死や暴力的な描写など)があるので、その時の演技はかなり迫真です。演技だけで心が揺さぶられます
ゲームプレイ・操作感:☆☆☆
Switch版前提ということでお話ししますが、操作感は各キーに機能を割り当てられているので悪いとは思いませんでした。スキップやオートもワンボタンでできます
選択肢スキップ機能についてはXで開くメニューの中で選択が可能です。しかし周回する際結構お世話になる機能なのでこれもワンボタンでやらせてほしかったです
チャプター中の最後の選択肢以降チャプター終わりまではスキップができないので、そこは不便だと感じました
選択肢までのスキップなので間違えてはいないですが、選択肢がない場合はチャプター終わりまでスキップする仕様だったらかなり利便性は高かったと思います!
あとはスキップの速度はもっと早くてもいいと思いました。十分早いと言えば早いんですが、前述したチャプター終わりスキップができないため、一部の選択肢がほぼ存在しないチャプターではスキップがもどかしく感じます
他のADVに比べてムービーが少し多めに挿入されるゲームだと思いますが、ロードなどは特に気になりませんでした。キャラ立ち絵の入れ替わりなどもかなりスムーズで違和感がありません
グラフィック:☆☆☆☆
すめらぎ琥珀氏によるキャラクターデザインはかなり良いです。男性がかっこいいのは当然ながら、女性キャラもそれぞれ特徴的に描かれていて可愛らしいです
立ち絵に関しては正直私は非の付け所がないくらいいいと思っています!差分も豊富ですし、会話でしぐさに違和感が出ないようにこれでもかと活用されています
この差分が特に可愛くて好き
CGについてもかなり差分が多いです。キャラの表情が状況に応じた表情にコロコロ変わります!
ただこれに関しては好みかもしれませんが、立ち絵に比べてCGは顔のバランスが悪かったり、アップの絵が多かったりするのが気になりました。もう少し体全体を書いた動きのある絵が多めにほしかったな、と思います
舞台は架空の都市ニューシーグですが、どんな町並みだとか民度はどんな感じかとかをうまく想像させるくらい背景が素晴らしかったです!私が住むには辛そうな街だと思いました(割とメリケン寄り)
しかも背景、動くんです。暖炉の炎とかディスプレイ上の演出とか、いろいろ
シネマティックアドベンチャーと銘打っている通り、紙芝居にならないよう視覚的にプレイヤーを楽しませる意気込みが感じられます!
サウンド:☆☆☆☆
BGMは物語の雰囲気に合っていてかなり良かったです!
気が散るようなこともなく物語にどっぷり浸かれました
一番気に入ってるのはメインテーマの「BUSTAFELLOWS」
プロモーションムービーでもショート版が聴けるデデデデッ!デデデデッ!って始まる曲です!
ゲーム中ではタイトルメニューで使用されているのですが、この曲を聞いていたいがために放置することも何度かありましたし、ルートクリアして戻ってきたときもなかなか動けませんでした!
OPテーマは石川界人さん歌唱の「NOVALIS」
【主題歌 石川界人】ゲーム「BUSTAFELLOWS」オープニングムービー初公開!
石川界人さんは劇中でアダム・クルイローフというキャラクターを演じています
このOPは、そのアダムのデビュー曲という体で歌唱しています
正直うまいとは言えませんが、劇中でもアダムは「歌が苦手」と言っていたので、ある意味キャラにかなり合わせてきているのかなあと思いました
(石川さんの普段の歌唱力はあまり知らないのです・・・すみません)
他、キャラクターボイスについてですが
キャラごとに音声が調節できるとはいえ、音量にかなり幅があるように感じました(特にスケアクロウは小さいというか遠い?)
膨大な量で大変かと思いますが、ある程度はもう少し音量調節してほしかったかなー
システム:☆☆☆☆
セーブ・ロード(クイック含む)、ログ(音声再生)、巻き戻し、スキップなど基本システムについてはADVに必要なものは網羅されています
この辺りは前述したスキップの仕様が気になるくらいで、他は問題ないと思います
ギャラリーではCG鑑賞の他に用語集や実績のやり込み要素があります!
実績は攻略するうえでコンプリートの指標になります。実績の一番最後はすべての実績を達成することで埋まりますので、実質実績100%でこのゲームはコンプリートです
用語集は作中で出てくる架空の用語について、主人公視点で語ったものになります
これが用語集に隔離されていることによって、本編のテンポの向上につながっています!いちいちキャラクター感で常識的な用語を説明してたら不自然ですし、テンポも悪くなりますからね。この辺はうまくシステムを活用してるなあと思いました
UIはめちゃくちゃオシャレです。メインメニューは作中で裏社会のボスが作ったAI「アニマ」の画面がモデルになっているので、まるで自分が裏社会のボスになった気分になります!
反面、CG鑑賞画面はキャラクター選択とCG選択の配分がほぼ半々で、目当てのCGがちょっと探しづらい不便さを感じました
これはどのゲームでもブログのような縦カラム分割が理想かなと思います
おまけ:限定版の作りについて
私は限定版を購入したのですが、材質は紙とはいえ箱がアタッシュケース仕様になっていました。この時点でなかなかオシャレなのですが・・・
なんと開けるとドル束が!!!すごーーーい!!!
劇中でもドル箱を詰めたアタッシュケースを開けるシーンがあります。こういった世界観にどっぷり浸れるような物理的な作りは素晴らしいです
セット内容はこんな感じです
一番右のは設定資料やインタビューが記載された小冊子なのですが、表紙やら裏表紙やらが作中の世界観に合わせたデザインになっているのがまた好印象!
限定版を購入する人の心理がよくわかってます。8000回くらい褒めたい
おわりに
文化放送エクステンドの乙女ゲームは初めてプレイしましたが、すべてにおいて高品質なアドベンチャーで楽しめました!
レビューでも記載しましたが、主人公たちの大学生のようなノリの会話がテンポがよくて私はそこがすごくお気に入りです!
個別ルートも続きが気になってしょうがなかったですが、真相ルートは散々引っ張った謎や伏線が解明されてとてもスッキリしました
また類似の世界観の作品を作ってもらいたいと同時に、既にPSVitaで発売されている地続き世界線の作品「Side Kicks!」にも興味を持ちました!Switch移植してくんないかなー
BUSTAFELLOWSは糖度そこそこ、サスペンスと洋画なノリが大好きな人には本当にオススメです!
気になった方は是非プレイしてみてくださいね!